沖縄で15年前から築いてきたつながりが結実 あそびのむし贈呈式(やんばる森のおもちゃ美術館)

4月25日、沖縄県のやんばる森のおもちゃ美術館にて、あそびのむし贈呈式が行われました。やんばる森のおもちゃ美術館は、3月14日にリニューアルオープンしたばかり。
真新しい遊具から木の香りが漂う会場に、県内の6つの贈呈施設のうち、5施設の方々が参加してくださいました。

沖縄県内で6施設というのは、人口当たりで考えると、他の都道府県よりも多い計算となります。このように難病児への遊び支援が広がっている背景には、芸術と遊び創造協会と沖縄県内の施設の皆さん、そしておもちゃコンサルタントとの、約15年にもわたるつながりがありました。

まずは、参加施設の皆さんをご紹介しましょう。

◆児童デイサービスひまわりkidsみどり町の管理者 照屋 建竜さん、看護師 瑞慶山 美智子さん


◆就労継続支援B型事業所ふくらしゃ 代表 小川 剛男さん、スタッフ 小川 美子さん


◆きづき児童デイ トリトン 代表 与那嶺 善昭さん、看護師 与那嶺 清美さん


◆児童デイサービスぐりっと南城 事業責任者 大島 真弓さん、児童発達支援管理責任者 玉城 江利子さん


◆ゆくいこども診療所 ショートステイゆい 所長 宮城 大雅さん

芸術と遊び創造協会の、沖縄での難病児の遊び支援の歴史は、2012年にさかのぼります。
約15年にわたる活動の間、ずっと中心的な役割を担ってきたのが、おもちゃコンサルタントマスター、貝阿弥ひとみさんです。

やんばる森のおもちゃ美術館スタッフ
貝阿弥さん

貝阿弥さんは、2006年開院の沖縄県立南部医療センター・こども医療センターの病院ボランティア1期生です。

こども病院に来る子どもたちの笑顔をもっと引き出すために、何ができるかを模索している時に、“おもちゃコンサルタント”養成講座の存在を知り、資格を取得。

2012年には、沖縄県立南部医療センター・こども医療センターにて「ホスピタル・トイ・キャラバン」を開催。大型ボックスにぎっしり詰まった世界各国のおもちゃを活用して病気の子どもとその家族だけではなく、医師や看護師の方にも遊びの魅力を届けました。

2014年には沖縄県内6カ所の病院で2カ月をかけてホスピタルキャラバンを順番に開催、2015年からは、琉球大学医学部付属病院小児病棟にておもちゃの広場の開催が始まりました。また、子どもに関わる様々な立場の人たちとともに、遊び支援について考え合う会「病児の遊びとおもちゃケア」沖縄フォーラムでも中心的な役割を果たしてきました。

2018年第4回「病児の遊びとおもちゃケア」沖縄フォーラムでは司会を担当

こうして、県内各地の病院へ活動の輪を広げていき、病院や施設の皆さんとの信頼関係を築いていった貝阿弥さん。

今回のあそびのむし第三弾でも、各施設に「あそびのむしセットの寄贈事業があるから、応募してみて」とお声がけしてくださいました。また、寄贈後も一つひとつの施設を回り、どのように活用されているか、困ったことはないかなど、丁寧にヒアリングをされていたそうです。

贈呈式でも、多くの施設の方から貝阿弥さんのお名前があがり、改めて貝阿弥さんの果たした役割の大きさが実感されました。

贈呈式では、こうして、長年にわたって築いていったつながりの一つを象徴するようなシーンも見られました。
寄贈先施設の1つ、ゆくいこども診療所・ショートステイゆいの所長 宮城 大雅さんとともに参加されたのは、沖縄小児保健協会の会長であり、宮城 大雅さんの父親でもある宮城雅也さんでした。

沖縄小児保健協会会長、宮城 大雅さん。
左はゆくいこども診療所・ショートステイゆい所長 宮城 大雅さん

沖縄における小児在宅医療の草分けとして30年以上のキャリアを持つ宮城雅也さんは、芸術と遊び創造協会の沖縄での活動にもゆかりの深い方です。親子二代にわたる支援のつながりができたことは、私たちスタッフにとっても大きな喜びでした。

宮城雅也さんの
「心あるおもちゃは『つながり』という重要な役割を持つツールであり、デバイスである。おもちゃや遊びを介して人と人とが繋がることで、成長できる』」
という言葉に、私達もおもちゃや遊びのもつ力について改めて考えさせられました。

贈呈式とその後のトークセッションでは、寄贈先の皆さんが一様に、あそびのむしセットから生まれる会話や新たな発見の様子を嬉しそうに語ってくださいました。「遊び」が持つ力が、人の手で引き出されている実体験を聞き、私達スタッフもあそびのむし事業の役割を実感することができました。

ですが、あそびのむしは、おもちゃを配布して終わりではありません。これからも、芸術と遊び創造協会と寄贈先とのつながりを持ち続けることで、セットがよりよいものになり、おもちゃを使う子どもたちと、周囲にいる大人たちの楽しい時間が積み重なっていくのだと感じた贈呈式でした。

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