2019年から始まったあそびのむしのおもちゃ寄贈事業では、おもちゃセットの寄贈施設は全国で360施設となりました。
それぞれの施設はどのようにセットを活用し、どんな思いで日々、子どもたちに向き合っているのでしょうか
今回は、第2弾で寄贈されたセットを使用している放課後等デイサービス 暖太(のんた)にお邪魔して、お話を伺いました。
放課後等デイサービス 暖太は、JRの京都駅から南に約15分、閑静な住宅街の一角にあります。隣の公園の桜の木を眺められるよう、公園に面した3階には大きな窓が。


暖太は、NPO法人暖(のん)の運営で10年前にオープンしました。建物内には放課後等デイサービスが1階にあるほか、ショートステイや、居宅介護事業所も併設されています。
利用者は医療的ケア児が多く、スタッフがほぼマンツーマンで付いて介助を行っています。
暖太の所長で児童発達支援管理責任者・保育士・介護福祉士・相談支援専門員の嶋田典江(しまだ のりえ)さんにお話をうかがいました。
■ あそびのむしのおもちゃは、どのように活用していますか?
嶋田さん:
「あそびのむしの4箱のおもちゃセットは、放デイの部屋の一角に置いて、いつでも使えるようにしています。
特に『スピンアゲイン』や『ワーリースクイグス』のように回るもの、音の出るものが人気ですね。」
実際に子どもたちの様子も見せていただきました。
小学校5年生のれんちゃんは、上半身を起こして、『スピンアゲイン』に夢中。ちょうど良いサイズで、動きが見えるところがいいようです。自分の手でディスクをスティックに通すと、自然と笑顔になっていました。


マットレスで囲った部分の天井に、屋根を作るようにシフォンスカーフをかけます。そこにキラキラ回る照明を置き、スヌーズレンルームのようにする遊びが人気だそうです。とても落ち着くようで、みんなが順番に入りたがっていました。


そのほか、音が出るおもちゃはみんなで合奏をしたりと、それぞれが好きな遊びを見つけている様子が伺えました。
■ 子どもたちと過ごすうえで、どのようなことを心がけていますか?
嶋田さん:
「子どもたちは特別支援学校に通っている子が多く、学校でもとても頑張っています。
暖太に来る時間は放課後なので、療育というよりも、自宅や地域で過ごす放課後のように楽しく過ごしてほしい、という思いで子どもたちと接しています。
マンツーマンで過ごす中で、子どもたちの笑顔や面白いエピソードに出会い、スタッフも心から笑って癒されます。そんな積み重ねで自分たちも成長していると感じます。
季節の行事も大切にしていて、春はお花見、夏は大きなプール、クリスマス会では地域の児童館との交流もします。
また、中学生になったら自分たちで企画してお出かけをしたり、高校生はお泊り会も企画するんですよ。
オープンして10年たち、低学年だった子も高校生になりました。
これからも既存のルールや制度の枠にとらわれず、子どもたちにとって必要なことを柔軟に考えて寄り添いたいと思います。」
嶋田さんの言葉からは、一人ひとりの「やりたい」「できた」に寄り添うことを大切にしていることが伝わってきました。
2025年、暖太を運営するNPO法人 暖が20周年を迎えた際の記念誌には、放課後等デイサービス暖太の理念として、こんな言葉がありました。
――のんびりのびのび自分らしく、足元から値を生やすように太くたくましくいきいきと
遊んで学んで楽しんで 感じて笑ってそして一緒に創っていく暖かい場所として
子どもたちひとりひとりが 地域の皆に大切にされながら育っていけるように
暖太はともに歩んでいきます――
その言葉通り、のびやかで暖かな雰囲気を感じられる施設でした。
嶋田さん、施設の皆さん、ありがとうございました!

嶋田さんと小学4年生のはなちゃん