日本財団助成金による「おもちゃセット配布事業」
医療ケア児のママたちの声から生まれた「難病のこどものためのおもちゃセット」です。
日本の周産期・新生児医療の発達に伴い、難病であっても救える命が増えてきました。一方で、 家族は子どもの誕生に喜びつつも、退院後は家族が難病に対する医療的ケアを日々行う必要があり、 片時も目を離すことができず、なかなか子どもとゆっくり遊ぶ時間がありません。おもちゃセット 「あそびのむし」は、難病の子どもと家族、専門家と厳選した世界中のおもちゃ 50 点を詰め込んだ セットで、難病の子どもと家族が一緒に遊び、親が子どもの成長を実感できる機会を与えることを目 指します。
好きな遊びで夢中になる!
きっかけは、ご家族の声
東京おもちゃ美術館は2016年から難病の子どもとご家族をご招待する取り組みを続けています。「重い病気の我が子が遊べると知らなかった」「家で親子でどうやって遊んでいいか分からない」という参加者ご家族の声がきっかけとなり、2019年、東京おもちゃ美術館と日本財団の共同事業で、難病児向けおもちゃのセット「あそびのむし」の開発が始まりました。
難病児にとって「楽しい遊びやおもちゃ」って何だろう?
医師、病棟保育士、おもちゃコンサルタント、チャイルドライフスペシャリスト、大学教授、理学療法士ら難病児の遊び支援に関わる専門家を中心に「あそびのむし」おもちゃのセット開発チームが結成され 、当事者である親子、児童発達支援施設にてヒアリングを重ねました。難病の子どもとコミュニケーションを取りやすい、一緒に遊ぶことで笑顔が生まれるようなおもちゃを中心に選ぶことで、 療育やトレーニングを目的としない、「ただ遊ぶこと」「楽しむこと」を大切に考えたおもちゃのセット「あそびのむし」 が生まれました。
全国90か所+150か所へおもちゃセットを寄贈!
2020年度は厳選したコミュニケーションTOY、音の鳴るおもちゃ、世界のおもちゃ、国産の木のおもちゃなど40 点入り、オリジナルおもちゃのBOX 4箱を、全国90か所のこども病院、児童発達支援施設、放課後デイサービス、難病児向け施設へ寄贈しました。(第1弾)
そして、2022年度は「あそびのむし」のために開発した「オリジナルおもちゃ」5点を加え、約70点のおもちゃセットにリニューアル。2023年度、新たに150か所の病院・施設へ寄贈します。(第2弾)
梱包・発送にあたっては、福祉施設の知的障害者の方々がおもちゃの詰め込み作業を行い、全国の病院、施設にお届けしています。
広がる「あそびのむし」の仲間たち
すべての寄贈先の病院・施設のスタッフに向けて、おもちゃの活用の仕方、遊びの効果、おもちゃの管理方法などの講習会を実施しており、実際の運用が効果的に行われるよう、必要な事を伝えています。
難病児のためのおもちゃセット「あそびのむし」を通して、難病の子どもたちを取り巻く医療・保育の専門家の方々ご自身も、「難病児との遊びやおもちゃの大切さ」に気付き、親御さんへの支援に役立てていただきたいと願っております。
時間を忘れて、 夢中になろう!
医療的ケアや重度の障害があっても、夢中になる遊びを見つけたい!
ワクワク、ドキドキ を育てよう!
教育、療育だけが目的なのではない、ワクワクドキドキの遊びをしたい!
ワイワイみんなで 遊ぼうよ!
あなた遊ぶ人、私見てる人じゃない、一緒に過ごす大人も楽しく遊びたい!
そんな「遊びのシーン」を思い浮かべてセレクトしたおもちゃのセットです。
「あそびのむし」とは…
読書好きな人は「本のむし」、仕事に熱中する人は「仕事のむし」と呼ばれるように、『あそびのむし』は遊ぶことが大好きで、時間のたつのも忘れて遊びに夢中になる人のこと。子どもだけじゃなく、むかしは子どもだった大人も時には『あそびのむし』になって、時間を忘れて遊びませんか?